ファルージャで何が起きているのか ~イラク戦争の傷痕~

  • 11 年前
NHK BS世界のドキュメンタリー 2013.7.17(再放送)

2003年に始まったイラク戦争で、“有志同盟”であるアメリカ・イギリス両軍に対し、とりわけ苛烈な抵抗を続けた町がファルージャだった。2004年11月の米英の総攻撃で、町は徹底的に破壊され、今も町中には瓦礫が残る。そして、何よりも深刻なのは次々に生まれる先天性障害の赤ん坊だと地元の医療関係者は指摘する。発育不全や癌と診断される乳児が増加していて、その割合は5人に1人に上り、多くは生後あまり時間を置かずに亡くなっているという。
原因の一つと考えられているのが、2004年の攻撃に使われた可能性が高いとされる白りん弾や劣化ウラン弾。劣化ウラン弾の使用については、アメリカは認めていない。そうした中、両親がファルージャ出身のイラク人ディレクターが、今も立ち入りが厳しく制限されているファルージャに入り、その実態を記録した。
さらに、兵器使用による後遺症の問題を調べている世界の専門家やアメリカ軍関係者への取材も行い、ファルージャで起きていることの真相に迫る。ヨーロッパのドキュメンタリー祭でも上映され、大きな反響を呼んだ作品。

原題:Falluja,A Lost Generation?
制作:Baozi Production (フランス 2011年)

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