映画『ジョウブレイカー/ドント・ブレイク・ダウン』

  • 4 年前
映画『ジョウブレイカー/ドント・ブレイク・ダウン』予告編
「寝返ったつもりはなかったんだ」11年ぶりのメンバー再会に走る緊張。90年代アメリカン・パンク最重要バンド、ジョウブレイカーの知られざる軌跡『ジョウブレイカー/ドント・ブレイク・ダウン』。 日本語字幕版予告編解禁!

メジャーで大衆的な音楽映画が劇場で注目を集める中、シネマート新宿が放つ真逆の新企画、まだ日本で紹介されていない新作、長年上映されていない旧作など、地下にうごめく数々の<アンダーグラウンドなロック・ドキュメンタリー映画>にスポットライトをあてる期間限定の特集上映、<UNDERDOCS(アンダードックス)>【今秋開催】にて、日本初上映となる、ジョウブレイカーのドキュメンタリー映画『ジョウブレイカー/ドント・ブレイク・ダウン』の日本語字幕付き予告編が解禁。

90年代アメリカの最重要パンク・ロックバンド:ジョウブレイカー。

『ジョウブレイカー/ドント・ブレイク・ダウン』はジョウブレイカーの知られざる活動の軌跡、解散の顛末をそのままストレートに映し出した作品だ。インディーズでの活動、メジャーレーベルの勧誘、楽曲創作への姿勢、支えてくれるオーディエンスとの関係。バンドが規模の大小はあれど少しでも商業的な成功を求めた場合に生じる歪みは、何のために活動するのか、バンドとは、創作とは、表現とは、という根源的な問いに対する思考を巡らさずにはいられない。監督はminutemenのドキュメンタリー映画『ミニットメン:ウィ・ジャム・エコノ』(2005)のキース・スキエロンとティム・アーウィンのコンビ。本作は2007年に約11年ぶりに再会を果たしたメンバーの姿も映しだされ、その時点でこの映画の企画が立ち上がっていたことを伺わせる。だが映画祭で初上映されたのは2017年、またすべての権利処理がなされて商業的ディストリビューションが可能となったのが2019年である。なお、監督のキース・スキエロンは2016年に膠芽腫脳腫瘍でこの世を去っている。出演はメンバーのほか、アンナ・ワロンカー(THATDOG)、ビリー・ジョー・アームストロング(グリーン・デイ)、ベン・ウィーゼル(スクリーチング・ウィーゼル)、ベン・サイズモア(イコノクライスト)、またプロデューサーであるロブ・カヴァロ、スティーヴ・アルビニなど。ピクシーズの「SURFERROSA」やニルヴァーナの「INUTERO」など数々の名盤を手掛けたスティーヴ・アルビニは当初ジョウブレイカーをJAWBOXと勘違いしていたと証言している。

この度解禁された予告編は、過去の解散を振り返るメンバーの証言で幕を開ける。そしてグリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングを含むジョウブレイカーの支持者たちのバンドに対する熱い想いが語られるなか、突然「裏切られた」という言葉とともに一気に不穏な空気が漂いはじめる。さらにはメンバーによる「パワハラだ」「再結成させる気か」との発言も飛び出し、一般的なドキュメンタリーではあまり見ない、カメラ側の存在が表出し、どこに作品が向かうのかわからない、映る笑顔のなかに緊張感と危うさを含む展開となっている。
2020年秋公開

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