映画『ポルトガル、夏の終わり』

  • 4 年前
映画『ポルトガル、夏の終わり』予告編
ポルトガルが誇る、世界遺産の町シントラを舞台に、イザベル・ユペールが魅せる、このうえなく美しく繊細な、人生の物語『ポルトガル、夏の終わり』。アイラ・サックス監督の『人生は小説よりも奇なり』(14)に惚れ込んだユペールは、自ら監督にラブコールを送り、それを受けた監督がユペールのために本作を書き下ろした。

ヨーロッパを代表する女優フランキーは、夏の終わりのバケーションと称し、ポルトガルの世界遺産の町シントラに一族と親友を呼び寄せる。自らの死期を悟った彼女は、亡きあとも愛する者たちが問題なく暮らしていけるよう、すべての段取りを整えようとしたのだ。しかし、それぞれに問題を抱えた家族たちの選択は、次第にフランキーの思い描いていた筋書きから大きく外れていき――。

脇を固めたのは、ブレンダン・グリーソン、マリサ・トメイ、ジェレミー・レニエ、グレッグ・キニアら豪華実力派俳優陣。彼らが演じる、フランキーのワケありな親族や友人が繰り広げるドラマも見どころの一つだ。そして、本作のもう一つの主役と言えるのが、イギリスの詩人バイロン卿に“この世のエデン”と称されたポルトガルの世界遺産の町シントラ。類稀なる美しさを誇り、このうえなく幻想的で美しい世界が、フランキーたちの人生模様を演出するかのようにスクリーンに映し出される。

特別な地で過ごす、ある夏の終わりの1日。早朝から日が沈む夕景が映し出されるまでというごく短い時間で繰り広げられる物語を通じて、フランキーと家族それぞれの過去、現在、そして未来という、ゆったりと流れ、決して止まることのない彼らの人生の姿がありありと浮かび上がってくる。
2020年4月24日公開

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