映画『WEEKEND ウィークエンド』コメント

  • 5 年前
『さざなみ』『荒野にて』のアンドリュー・ヘイ監督作品最新作『WEEKEND ウィークエンド』。

『WEEKEND ウィークエンド』はアンドリュー・ヘイ監督2作目の長編作品。日本での劇場公開は初となる。ロンドン映画批評家協会賞で新人監督賞ほか、世界中の映画祭で上映され、多くの賞を獲得した。

一夜限りのパートナーを求め赴いたバーで出会ったラッセル(トム・カレン)とグレン(クリス・ニュー)は、ともに週末を過ごすうちにお互いのこだわり、秘密、切実さを学んでゆく。ゲイであること、ストレートの友人との関係、親へのカミングアウト、プライベート/パブリックでの振る舞いなどについて語られる、パーソナルかつ真に迫ったラブストーリーだ。どこにでもある出会いから、得難い関係を見出す週末の2日間を描いた本作は「その後のLGBT映画の流れを変えた一作」と評され、アカデミー賞作品賞を受賞した『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督が「この作品が大好きだ」と語るなど、後進の作家や作品に大きな影響を与えた。

今回よせられたスペシャルメッセージ映像では、シャイなラッセル役に「ダウントン・アビー」などのトム・カレン、そして皮肉屋のグレンにクリス・ニューをキャスティングした理由、本作がLGBT映画の新たなトレンドを作った一作と評されることなどについて語っている。

映画祭での多数の受賞や他の映画監督に評価されることなどは「予想もしなかったこと」と語り、「自分なりに最高の映画を作ろうとしただけ」と述べる。「私にとって個人的な映画が世の中に受け入れてもらえたことは、とても特別で光栄なこと」と、とても感慨深い様子。「ひとりひとりがこの作品を何かを受け取って、影響を与えることがあるなら映画監督として本望です」と語る通り、極めてパーソナルな物語ながら、主人公2人の心の動きと共にラストには深い余韻がもたらされる。
2019年9月27日公開

お勧め