20131011 「骨抜き基本方針」閣議決定~被災者の声聞かず OurPlanet-TV

  • 11 年前
政府は11日、東京電力福島第一原発事故を受けて去年成立した「子ども・被災者支援法」の基本方針を閣議決定した。約5000ものパブリックコメントを反映せず、ほぼ修正のないままの内容となり、怒りの声が上がっている。
 
この基本方針をめぐっては、被災者らは復興庁が方針案を示した8月末以降、「自分たちが求めてきた内容と全く異なる」として撤回を要求。特に、法に規定されている被災者の声を吸い上げる仕組みが不十分で、公聴会が実施されていないことや、支援対象を「放射線量」との基準値定めているのにも関わらず、福島県東部の33市町村に限定したことを強く批判してきた。
 
午前8時30分、閣議が行われる首相官邸前には、福島県の住民や県外へ避難した被災者や千葉県から来た人など約30人が集まり、「骨抜きの基本方針だ」「被災者の声を聞け」と抗議の声が上がった。福島県郡山市からかけつけた人見やよいさんは、「政府がパブリックコメントを読んでいたらこんな基本方針は出てくるはずがない。政府は被災者を無視して、軽視している」と涙声で訴えた。
 
また、ホットスッポが点在する千葉県流山市の市議会議員阿部治正さんは、支援対象地域を福島県内のみとする点を批判。「国は被災者の分断に配慮して工夫をしたと言っているが、これまで以上の分断を生み出した。放射能は、福島県外にも流れている。東北や関東のホットスポットに住んでいる小さな子どもを抱えた親たちは悩みに悩んでいる。それに答えない基本方針は認めることはできない」と抗議の声を上げた。
 
パブリックコメントは完全無視?~公表も閣議決定後
今回5000件近いパブリックコメントが寄せられた「子ども・被災者支援法」の基本方針案。政府はそのパブリックコメントをどう吸い上げたのか、疑いの声が強まっている。支援法では、
基本方針を策定する際に、被災者の意見を反映することがうたわれている。
 
復興庁によると、パブリックコメントで一番多かった意見は、公聴会開催など被災者の意見の反映をさせること。そして、支援対象地域の見直しだ。しかし、どれひとつ反映させることなく、今日の閣議決定となった。しかも、公表は閣議決定後。政府に対する被災者の不信感はこれまで以上に高まっている。
 
復興庁が閣議決定後にようやく公表したパブリック・コメントに対する「見解」では、支援対象地域を年間1ミリシーベルト以上の地域に指定せよと求める意見に対し、「1ミリシーベル ト」について、「この水準は、健康に関す る「安全」と「危険」の境界を示す線量」ではないと明言し、市民の思いを最初から受け入れる意思がなかったことが明らかとなった。

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original OPTVstaff
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